1：検査

1-1：レントゲン検査

歯周病は、歯を支える顎の骨が溶かされてしまう病気です。骨の状態を詳しく調べるために、お口全体の大きなレントゲン写真を撮影します。

 

1-2：歯周組織検査

歯垢・歯石の付き方、歯ぐきの腫れ、出血、歯のぐらつき度合い、歯周ポケットの深さなどを調べます。

 

歯周ポケットは記録方法が2通りあり、「基本検査：一番深い所を記録」、「精密検査：歯の周りの6点の深さを記録」となります。プローブという針のような形の定規をポケットにさし入れて深さを測ります。健康：1～2ｍｍ、軽度歯周病：3～4ｍｍ、中度：5～7ｍｍ、重度：7ｍｍ以上です。

 

歯のぐらつき度合い（動揺度）は、ピンセットなどの器具で歯一本一本を調べます。揺れ具合によって、0～4度の4段階に分けられています。

 

 

 

2：治療

2-1：歯石除去

症状の軽さ重さに関わらず行う基本的な治療が、歯石の除去です。歯石は歯周病菌のかたまりで、1ｇ中に1000億個以上の菌がいると言われるほどです！

 

歯ぐきの上の歯石除去はスケーリングという方法で行います。歯周ポケットの中の歯石除去にはＳＲＰという方法を取ることも。きれいにすると同時に、歯の根っこを滑らかにしてばい菌が再び付着するのを予防します。

 

 

2-2：歯磨き指導

ばい菌は生き物なので、毎日口の中で増え続けてしまいます！歯周病対策には、毎日の歯磨きがとても重要です！歯垢を色素で染めたり、歯ブラシの動かし方や、生活習慣の指導なども行います。

 

2-3：歯周外科治療（フラップ手術）

歯周ポケットがあまりに深いと、潜り込んでいる歯石を表面からは除去できません。そのような場合、歯ぐきを切り開いて歯の根っこの先端まであらわにして治療するのです。フラップ手術と言い、徹底的にきれいにできるのがメリットですが、デメリットとして抜歯したときと同じ程度の痛みがある、抗生物質などの薬を飲む、治療の前よりも歯ぐきが下がってしまうことなどがあります。

 

 

2-4：歯並び、かみ合わせ

歯並びが悪いところには歯垢や歯石がたまりやすく、虫歯や歯周病が進みやすくなります。かみ合わせが悪いと、特定の歯に力が強くかかってしまい、負担が大きい歯の歯周病が悪化する原因となってしまいます。歯周病が軽度のうちなら、歯列矯正を行っての改善を図れますよ。

 

 

 3：再生療法2点

破壊されてしまった顎の骨は、基本的には元通りには戻りません。これまでの治療では、歯ぐきの状態を改善させ、病気がこれ以上進まないようにするにとどまっていました。しかし再生療法は「骨（などの組織）を再生」できる、大変優れた治療法なんですよ！

その一方で、これらの治療法を用いることができる状態は限られているので、事前に歯医者さんとよく相談することが大切です。今回は、2つの再生療法をご紹介します。

 

 

3-1：ＧＴＲ法

ＧＴＲ法（歯周組織再生誘導法）は、健康保険を利用できます（3割負担で5000円～）。特殊な保護膜を使って破壊された組織を再生させます。再生には半年～1年ほどかかります。

 

 

3-2：エムドゲイン法

エムドゲイン法は自費診療（10万円～）です。「赤ちゃんの歯が生える原理を利用した再生療法」で、特殊なゲルを塗り、歯が生えてきた時と同じ状況を再現するのです！

 

 

4：定期健診

治療が終わった後も、健康な状態を守るために定期健診でメンテナンスをしましょう。歯磨きが上手にできているかのチェックや、歯石の除去を行います。健診のペースは毎月、3カ月ごと、6カ月ごとなど。患者さんにあわせて歯医者さんがふさわしいペースを判断します。

 

 

歯周病の治療は、状態をしっかりと検査したうえで行います。病気が悪化すればするほど、治療にかかる負担が大きくなってしまい、治療費も体も大変になってしまいます。

前編で行ったセルフチェックの結果が良いものだったとしても、ぜひ歯医者さんを受診してみてください！この記事が早期発見、早期治療のお役に立てば幸いです！

 

 

予防の為には、歯医者さんを受診して歯石を取り除いてもらいましょう。ついたばかりの歯石なら柔らかく、治療時の体の負担も少なくてすむので定期的な除去がおすすめです。