歯周病がもたらす臭いの原因とその対策（前編）

1-1：確かめる方法

　他人の臭いはよく分かっても、自分のことは分かりにくいものです。

家族など身近な人に嗅いでもらうほか、歯医者さんで確認してもらうこともできます！

　セルフチェックするには、口元と鼻を手でおおって、息を吐き、意識して嗅いでみましょう。袋や紙コップなどに息を吐き、容器の口をふさいで、数呼吸おいてから嗅いでみる方法もあります。

 

1-2：歯周病の臭いの特徴

　歯周病の口臭は「腐った玉ねぎ」のようだと表現されます。臭いの原因の物質は「メチルメルカプタン」で揮発性があります。つまり常温で空気の中に溶け込みやすい性質があります。ほんのわずかな量でも強烈な臭いが広がります。強い毒性があることでも知られ、「毒物及び劇物取締法」などの法律で毒物に指定されているほどです！

 

1-3：胃が原因の臭いの特徴

　ピロリ菌への感染が主な原因でおこる胃炎や、暴飲暴食・ストレスなどで胃潰瘍になったときには、「腐った卵」のような臭いがします。

 

 

 

2-1：「ばい菌のかたまり」

　歯周病が進むと、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」という隙間ができます。衣服のポケットの中に、ほこりやごみが溜まるのと同じように、歯周ポケットの中にも汚れが溜まります。それは「歯垢（プラーク）」といい、歯周病の原因となるばい菌のかたまりです。歯垢（プラーク）はだ液の中の成分と固まって歯石となり、これらが溜まったままになることで、強いにおいを出しはじめます！

 　さらにばい菌は歯周ポケットをどんどん深くしてしまうので、一層汚れが溜まりやすくなり、病気も悪化してしまいます！

 

2-2：「膿」

　歯周病が進むと、歯ぐきから膿が出てきてしまうようになります。この膿も、強烈な臭いを放ちます。かつて歯周病が歯槽膿漏と呼ばれていたのは、「歯槽骨（しそうこつ。歯を支える顎の骨）」から「膿」が「漏れ出る」からなんですよ。

 

　強烈な臭いの原因は分かりましたが、口臭を消すにはどうしたらいいのでしょう？

 

　ひきつづき後編で、歯周病がもたらす臭いの対策をご紹介しますね！すぐに取り組める方法から、最新の治療法までありますよ！

　歯周病の膿がどのようなものか、動画がありますので、よろしければこちらもご覧ください。