埼玉県上尾市にある歯科医院　上尾カナデ歯科・マウス&ピース矯正歯科 院長 高井です。

「バイオフィルム」という言葉を聞く事が増えてきました。なんとなく、「ばい菌がつくるかたまり」「歯の汚れ」だと思っていませんか。

バイオフィルムは、虫歯菌や歯周病菌の絶好のすみかです！1ｍｇ中に存在するばい菌の数は10億個と言われ、今この瞬間にもお口の健康をおびやかしている可能性があるのです！

では、きれいに取り除くにはどうすればいいのでしょう？

後編では、バイオフィルムを除去する方法2つをご紹介します！市販のマウスウォッシュの効果や、おすすめのうがい薬についてもまとめていますよ！

歯磨き不足や、だ液の不足による殺菌効果の低下などでお口が不潔になると、ばい菌が増えてしまいます。

　食事から8時間ほどで歯垢（プラーク）が作られ、さらに48時間たつと歯垢が歯石へと変化します。歯石になると取り除くのが難しいので、「歯石になる前にきれいにする」のがとても大切です！

2-1：歯磨きで落とす！

　実は、歯垢のうちならセルフケアで十分に除去できます。歯ブラシで物理的にこすり落とす「歯磨き」はとても効果的です！

　汚れが残りやすい「歯と歯の間」は、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯垢の除去率が大幅にアップします！新しい道具を取り入れるのは面倒ですが、歯垢が歯石になるまでの48時間の間に１回は行えば良いのですから、「最低2日に1回」で効果があります！

　歯医者さんで歯磨き指導を受け、スキルを磨くのもおすすめです！

2-2：歯医者さんで落とす！

　歯石は歯ブラシでは取れません。歯医者さんでは「スケーリング」という治療法で取り除きます。「スケーラー」という先端がフック状になった器具を使い、歯石を物理的に削り落としていくのです。

歯周ポケットの奥深くに入り込んだ歯石には、「ＳＲＰ」や「フラップ手術」など、より進んだ治療を行いますが、その分治療のときの体の負担が大きくなります。

ＣＭで「バイオフィルムに働きかける」というマウスウォッシュをよく見ますが、効果はどのくらいあるのでしょうか。

　実は、バイオフィルムは抗菌剤や殺菌剤に抵抗する力を持っています。菌と菌の間に満ちているネバネバした液が、菌たちを守っているんです。マウスウォッシュがその中にしみこんだり、歯周ポケットの奥に届くことはありません。

　歯みがきや歯医者さんで物理的にバイオフィルムを除去した上で、歯周病の予防として取り入れるのがマウスウォッシュの正しい使い方です。

近年では、抗菌薬や抗生物質を使った薬物療法を取り入れる歯医者さんも増えてきています。それでもやはり、物理的にバイオフィルムを取り除くのが前提です。

　毎日の歯磨きで、バイオフィルムをきれいに取り除くのがなにより大切です！見ばえのいいＣＭに踊らされず、日々の歯みがきを中心に、お口の健康を守りましょう！