1、歯周病

原因となるばい菌が歯ぐきに炎症を引き起し、顎の骨を溶かしてしまうのが「歯周病」です。歯周病が重度まで進んでいると、歯ぐきがぶよぶよになってしまいます。他にも、歯ぐきから血が出る、強い口臭がする、膿が溜まる、歯が揺れるなどして、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。最近では糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞など、命に関わる病気を引き起こすことが分かってきました。

治療に大切なのは、増え続けるばい菌（歯垢・歯石）をきれいに取り除き続けること！家庭での毎日の歯磨きと、歯医者さんでの定期的なクリーニングの両方で改善に取り組んでいきます。

2、親知らず

奥歯の歯ぐきがぶよぶよしているなら、親知らずが原因かもしれません。親知らずが斜めに生えていたり、大部分が歯ぐきに埋まっていると、汚れがたまってしまい、歯ぐきが炎症を起こして腫れてしまうのです。

きれいに歯磨きをすれば改善できます。しかし何度も炎症を繰り返す場合には、抜歯をすることもあります。　

３，口内炎

口内炎が歯ぐきにできるとぶよぶよして見えます。口内炎の原因は生活習慣の乱れやストレス、ビタミンの不足、歯ぐきのケガ、お口の中が不潔、などがあります。

お口を清潔にし、休息をとって体の抵抗力を回復させれば1～2週間で治ります。歯医者さんではレーザーを照射する治療や、軟膏の処方などを行います。しかしいつまでも治らない場合や、たくさんの口内炎ができている場合は他の病気かもしれません。歯科のほかにも口腔外科、内科、皮膚科でも診察が可能です。　

4、歯ぐきの増殖

歯ぐきが増殖するケースもあります。体にできるイボやできもののように、歯ぐきに良性のかたまりができるのです（エプーリスといいます）。原因は、歯石や、歯に合っていないかぶせ物の刺激と言われています。痛みが無い場合が多いですが、放置すると歯並びに影響が出ることも。

歯ぐきの増殖した部分を、麻酔をかけて切除する治療を行います。

5、妊娠性歯肉炎

妊娠中はホルモンのバランスが変化して、歯肉炎が起きやすくなります。つわりのために歯磨きできないなど、不潔になりやすいのも影響しています。

出産してホルモンバランスが落ち着くと症状は治まりますが、妊娠期間は長いので、お口の中を清潔に保つことが大切です。つわりが落ち着いたら、歯磨きなどのセルフケアと、歯医者さんでのクリーニングで対処します。

6、お薬

一部の血圧を下げる薬や、てんかんの薬を長期間服用すると歯肉の増殖を引き起こす可能性があります。

かかりつけの医師に相談し、可能ならお薬を変えることで改善することができます。

7、歯の根っこの先に膿が溜まっている

虫歯が歯の根っこの先まで進んだり、神経を取る治療をしたあとにばい菌が残っていると、歯の根っこの先に膿が溜まる事があります。膿が歯ぐきに穴をあけて流れ出たり、歯ぐきの中で溜まって大きく腫れてしまいます。

虫歯の治療が必要です。膿を洗い流し、薬を詰めて消毒・殺菌し、菌が無くなったらかぶせ物をします。

8、歯の根っこが割れた

歯の根っこが割れると、そこからばい菌が入り込んで炎症が起こります。炎症は歯や歯ぐきだけではなく、骨にまで広がることもあるんです！歯ぐきの腫れのほかにも、強い痛みや歯の揺れを引き起こします。

まずは炎症を薬などで鎮めて、症状が落ち着いたら抜歯を行います。

「ぶよぶよの歯ぐき」には、実はこんなにたくさんの原因があったんですよ！自己判断せず、早めにお医者さんに診てもらいましょう。

すぐに歯医者さんに行けない場合も多いですよね。後編は「応急処置・予防法」と「やってはいけない行動」についてのご紹介です！