口腔機能療法とはどんなもの？

口腔機能療法とは、病気や加齢によって衰えたお口の機能を取り戻すための治療法です。といっても、何かお薬を飲んだり、歯科的な処置を施したりするわけではありません。「MFT（Oral MyoFunctional Therapy）」とも呼ばれる口腔機能療法は、主にリハビリテーションや訓練などによってお口の機能を回復させます。

実は、口腔機能療法というのは、高齢の方だけが対象ではありません。例えば、指しゃぶりや舌を前に突き出す癖など、お口の習癖が治らない子どもに対しても積極的に行われることがあります。口腔機能療法によってお口周りの筋肉が正常に働くようになり、有害な口腔習癖も改善されるのです。そのため、口腔機能療法は「お口の機能の回復」だけを目的とするのではなく、「お口の機能を育てる」ことにも大きく寄与するといえます。

近年、お口の中が乾燥してしまう「ドライマウス」に悩まされている人が増えています。お口の中が乾燥すると、気持ち悪いだけではなく、むし歯や歯周病のリスクも上昇します。風邪などの細菌感染症にもかかりやすくなるため、適切な対応が必要となります。そこで大きな力を発揮するのが口腔機能療法です。口腔機能療法は、お口周りの筋肉を活発に動かすため、唾液腺の活動も促進されます。すると、唾液の分泌量が増加し、ドライマウスの症状も改善されるのです。