犬歯の歯並びの乱れを日本では「八重歯」と呼び、愛らしいとしてきました。近年では美の価値観が変わるとともに、全身の健康を守るためにも歯並びをきれいに矯正するようになってきました。

後編では、矯正のメリットとデメリットについてご紹介します。

 

1：どのように矯正するの？

 

1-1：犬歯はできるだけ保存する

 

　犬歯は歯並び全体の基準にする大切な歯なので、できるだけ保存します。

 

1-2：他の歯をずらす

 

　犬歯以外の歯を、先に移動させて、犬歯が入るだけの場所を作ります。

 

1-3：歯を削る

 

　犬歯とその周りの歯を削ることでスペースを作り、歯並びを整えていきます。差し歯をかぶせて整える場合もあります。

 

1-4：抜歯する

 

　犬歯を抜くのは、ひどい虫歯になってしまっているなど、保存自体が不可能な場合です。

中には「手っ取り早く、出っ張った歯を抜いてくれればすむのに…」とおっしゃる患者さんもまれにおられますが、犬歯を失うことで矯正自体ができなくなるケースもあるため、とても大切な歯なんですよ。

　　

2：矯正のメリットは！？

 

2-1：歯並びが美しくなる

 

　歯並びが美しいと、何の心配もなく、にっこりと笑顔を作ることができます。咬み合わせも良くなりますよ。

 

2-2：口呼吸が治る

 

　口呼吸は口臭・虫歯・風邪などの病気を引き起こします。矯正することで口が自然に閉じ、鼻呼吸ができるようになるんですよ！お口の中だけでなく、全身の病気の予防につながります！

 

2-3：虫歯・歯周病を予防できる

 

　歯並びが良いと歯磨きがしやすく、お口をきれいに掃除できるので、虫歯・歯周病の予防になります！

 

3：矯正のデメリットは？

 

3-1：健康な歯を抜く

 

矯正のために健康な歯を抜くことがあり、抵抗・恐怖感がある場合があります。それは自然な気持ちなので、ぜひ歯科医師に相談してくださいね。気持ちを尊重して説明をしてくれます。

 

3-2：治療期間が長い

 

　顎の骨の中に埋まっている歯を少しずつずらすので、治療期間が年単位と長くなることがあります。矯正が部分的なものか、全体的なものかによって期間が変わります。

 

3-3：費用が高額

 

　自費診療なので、費用が高額です。これはお口の状態によって差がでます。しかし医療費控除や分割支払いを利用することで、実質負担を減らすことができますよ。

　また、相談しやすいように事前カウンセリングを無料～数千円など、低価格に設定している医院も多いんです。当医院の場合は、矯正相談は費用が発生致します。

 

　いかがでしたか？「犬歯はとても重要！」とびっくりされたのではないでしょうか。ご自分の歯の状態について気になることがあれば、ぜひ歯科に行き、気軽に相談してみてください！