噛み合わせの治し方を知りたい！
不正歯列・顎関節症それぞれの治療法（後編）

1：どこを受診すべき？

　口腔外科、または顎関節症を診療対象としている歯医者さんを受診しましょう。口腔外科の受診にあたり紹介状が必要な場合は、身近な歯医者さんを受診して紹介状を発行してもらいましょう。

 

 

2：「顎の関節」による「悪い噛み合わせ」

2-1：筋肉の痛み・コリ

　耳の付け根と頬骨の境目に手を当て、顎を動かしてみて下さい。顎の関節が動く様子を感じられると思います。動かない頭蓋骨（上顎）にはまり込んでいる下顎の骨を動かすのは、筋肉です。筋肉に痛みやコリがあると、「口を開ける時に痛い」と感じることがあります。筋肉は首や肩にも連動しているので、肩こりや腕のしびれを感じることもあります。

 

 

2-2：靭帯（じんたい）等のダメージ

　顎の関節の靭帯（じんたい）や、関節包（かんせつほう）という柔らかい組織がダメージを受けていると、「口を開ける時」や「口を閉じる時」、「食べ物を噛む時」、「顎のまわりを押さえた時」にも痛みを感じます。

 

 

2-3：クッション材の位置のずれ

　スムーズに動かすために、関節の中にクッション材となる物（関節円盤と言います）が入っていますが、その位置がずれてしまう事があります。

　「口が2センチしか開かない」「口は開くが、その時に音がする」といった症状があり、顎関節症で最もよくみられるケースです。

 

 

2-4：骨が変形してしまった

　軟骨がすり減り、骨の形が変わってしまうこともあります。長期間負担が掛かり過ぎたためで、こうなってしまう前に早めに治療を始めるのが大切なんです。

 

 

3：「顎の関節」の「悪い噛み合わせ」の治し方

3-1：装置「スプリント」を使う

　歯ぎしりや食いしばりがトラブルの元の場合があります。スプリントというマウスピースのような装置をつけて、強すぎる力を分散させるのです。

 

 

3-2：筋肉の緊張を和らげる

　関節の周りの筋肉に低周波パルスを流し、緊張を和らげる治療法です。

 

 

3-3：関節の中を洗う

　関節の隙間の中に、血液や炎症物質が溜まってしまっている事があります。関節の中を生理食塩水などできれいに洗うことで、症状が軽くなる事もあります。

 

 

3-4：関節円盤を正しい位置に戻す

　まず関節の中をきれいに洗い、手動の注射器で圧力をかけます。クッション材である関節円盤を移動させ、正しい位置に戻してあげるのです。

 

 

　「噛み合わせの治し方」と言っても、原因によって治療の方法が違うのがお分かりいただけたでしょうか。

自分の状態を、歯医者さんに正しく伝える助けになれば幸いです！