短期間で歯並び改善？
セラミック矯正のメリット・デメリット（前編）

1：ワイヤー矯正とセラミック矯正の違いとは？

　セラミック矯正は短期間できれいにできるのが特徴です。歯の表面を削り、人工の歯を接着します。セラミック等で作られた人工の歯の形と色を調整して、見た目を整えるんですよ。

　ワイヤーを使う矯正は、顎の骨に埋まっている歯の根っこごと、全体を少しずつ動かすので、治療期間が年単位となることもあります。必要時に健康な歯を抜く事はありますが、それ以外に歯を削ったり神経を抜いたりすることはありません。

 

2：メリット

・早くきれいになる（数週間～3カ月）

・治療中という事が他の人に気づかれにくい

・歯並びの他、色や形も変えられる

・違和感（締めつけ感等）が少ない

・気になる部分だけを治療できる

 

3：デメリット

・健康な歯を削る

・健康な歯の神経を抜く事がある

・歯の寿命が短くなる　

・全体の咬み合わせの改善ができない

・歯の根っこを動かせない

・歯並びによっては対応できない

・定期的なメンテナンスが必要

 

4：健康か、白さか？

　ざっとご説明しましたが、「健康と、白さのどちらを選ぶか」が判断の重要ポイントです。

　「健康な歯を削る」というのは、それだけでリスクといえます。強さや滑らかさでは、生まれ持った歯に勝るものは無いのです。

　セラミックは何十年も変わらぬ美しさであっても、体は変化していきます。歯ぐきが下がってしまうと、露出した歯の根っこと人工物との境目が目立ってしまいます。

　自然な歯は年をとるにつれてだんだんと黄色味が強くなっていくので、人工の歯との色の違いが際立っていきます。そうなっていくとやり直しを含むメンテナンスが発生してしまうのです。

　歯の神経を抜くと栄養が届かなくなってしまい、色がしだいに黒ずみます。歯の弾力も無くなって固く割れやすくなり、歯を早く失う原因となってしまうのです。

　その一方で、ワイヤー矯正で整った歯並びと、バランスの良い咬み合わせを手に入れれば、見た目以外にも良い影響が全身にあるんですよ。虫歯や歯周病の予防になるほか、頭痛や口呼吸、姿勢も良くなるんです。見た目以外にも体調に悩みがあるのなら、こちらのほうが向いているかもしれません。

 

5：まとめ・セラミック矯正が向いている人とは？

・神経が無い歯の歯並びや色が気になる

・かみ合わせに問題がない

・ケガなどで歯が欠けた

・ホワイトニングでも色が改善できなかった

・どうしても長い期間治療できない

 

人生百年の時代です。歯を大切にする事と、美しさを手に入れる事のバランスを考えるのが必要です。

 

　後編では、治療の流れや費用、そして良い歯科医院の見分け方をご紹介します！