放置すると危険な歯肉炎の症状4つと自宅と歯医者で行うケア（後編）

1：歯周病、こんな人は要注意！

1-1：糖尿病

　歯周病と糖尿病には、深い関係があります。

 

糖尿病になると、全身の抵抗力が下がってしまいます。歯周病は原因であるばい菌への感染症なので、糖尿病の人は歯周病が進行しやすくなってしまう可能性があるのです。

 

さらに、歯周病菌が出す毒素は血液に混ざって全身をめぐっていきます。血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きをじゃまして糖尿病を悪化させてしまうのです！

 

 

 

1-2：血液ドロドロの人

歯周病は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。これらはドロドロとした血液が血管の中で詰まってしまうことで起こる病気です。

 

アルツハイマー型認知症のリスクが高まる可能性もあるといわれており、この病気も脳への血流が重要だとされています。

 

 

 

1-3：思春期の女の子、妊婦さん

　体調や、ホルモンバランスによっても歯周病にかかりやすくなります。

・11～14歳ごろの女の子

　女性ホルモンがばい菌の栄養源となってしまうためです。

・妊娠2～8カ月の妊婦さん

　女性ホルモンの影響のほか、つわりのために歯磨きしにくく、お口の状態が悪くなりがちです。「妊娠性歯肉炎」と指摘された覚えがある方も多いのでは。歯周病は早産、低体重児出産のリスクを上昇させてしまうんですよ！　

 

 

 

2：自宅でのケア

2-1：歯磨きで改善！

　歯肉炎は、原因であるばい菌のかたまり「歯垢（しこう、プラークとも言います）」を取り除くことで改善できます。

　歯垢が溜まるのは、歯と歯ぐきの境目です。やわらかめの歯ブラシで、優しい力で歯ぐきをマッサージするイメージで磨きましょう。

　歯と歯の間に残る歯垢は歯ブラシでは取り切れないので、歯間ブラシやデンタルフロス（糸ようじ）を一緒に使うと高い効果がありますよ。どちらも、歯と歯の間にそっと挿入して、歯に沿わせるようにして前後に動かしていきます。

　歯磨き粉やうがい薬（マウスウォッシュ）は、歯周病向けの物を選びましょう！殺菌成分の他、歯ぐきの炎症を抑える成分が配合されています。

 

 

 

2-2：口呼吸をやめる

　だ液には殺菌効果があり、歯周病菌などの活動を抑えているのです！しかし、口呼吸をしているとお口の中が乾き、だ液の量が減ってしまいます。すると殺菌効果が低下して、歯周病のほか虫歯、口臭、風邪をひくリスクが高くなります！

　意識して鼻呼吸をするようにしましょう。

　だ液の出る量を増やす工夫も効果があります。「食事の時に噛む回数を増やすこと」です！一生懸命噛むのが大変なら、固い食材を増やす、食材を大きめに切るなどすると生活に取り入れやすいですね。

　

3：歯医者さんでの治療

　歯医者さんでの基本の治療はスケーリングといい、歯垢や歯ぐきの上についた歯石をきれいに取るものです。さらには歯周ポケットという、歯と歯ぐきの境目にまで入り込んだ歯石をＳＲＰという方法で除去することもあり、歯周病の進行度に応じた治療を行います。お口の状態を丁寧に検査して記録に残し、異変を早く発見できるようにしているんですよ。

歯磨き指導も治療の一つです。家庭での歯垢除去、つまりブラッシングが上手にできるように指導してもらえます。

 

 

 

歯医者さんが数カ月に１回の大掃除なら、家での歯磨きは毎日のお掃除です。どちらも大切ですよね。

 

歯周病は全身にも影響のある恐ろしい病気です。今回の記事が、お口の健康に目を向けるお役に立てば何よりです！少しでも気になることがあれば、歯医者さんに相談してみてくださいね！