放置すると危険な歯肉炎の症状4つと自宅と歯医者で行うケア（前編）

1：歯肉炎の4つの症状

1-1：歯磨きすると血がでる

　歯磨きのときや、リンゴなどの固いものをかじったときに歯ぐきから血が出ることがあります。痛みがないので、放置してしまうことが多いです。

 

 

1-2：歯ぐきが赤紫色になる

　健康な歯ぐきなら色はピンクで、形は歯にそって固く引き締まっています。

しかし炎症を起こすと、歯ぐきの色が赤紫になり、形は腫れて丸くなります。触れると、ぶよぶよと柔らかくなっているのがわかると思います。

　さらに、腫れることで歯と歯ぐきのすき間が大きくなり、歯垢（しこう、プラークとも言います）が溜まりやすくなります。この歯垢はばい菌のかたまりで、お口の中で毒素を出し続けるんです！

 

 

1-3：口臭がする

　歯垢が出すガス状の毒素は、つんとした嫌な臭いを放ちます。また、歯ぐきから出た血も、いやな臭いの元になるんですよ。

　口臭はエチケットの問題だけではなく、重要な健康問題でもあるんです。

 

 

1-4：冷たいものがしみる

　歯肉炎で歯ぐきが下がってしまうことがあります。歯の表面はエナメル質という、固くつやつやとした層でおおわれていて、傷や温度変化から守っています。しかし、歯ぐきに埋まっていた部分にはエナメル質の層はないので、冷たいものがキーンとしみるようになってしまいます。夏なら冷たい飲み物、冬なら歯磨きやうがいの時の水がしみてしまうことが多いんですよ。

 

 

 

 

 

2：歯肉炎を放置すると、歯槽膿漏になる！？

2-1：歯周病の3つの段階

　歯肉炎は歯周病の初期段階です。進行度を3段階に分け、症状もまとめました。

・歯肉炎（初期）

歯ぐきに炎症が出て、赤紫色に腫れる。

　　痛みはほとんどない。歯ぐきから血が出ることがある。

・歯周炎（中期）

　　歯ぐきの炎症が進んで、赤みが強くなる。

　　歯ぐきが下がり、歯と歯のすき間が見える。

・歯槽膿漏（末期）

　　歯がぐらぐらする。

　　歯ぐきが下がって歯の根っこまで見える。

　　膿が出て、痛みが続く。

　　顎の骨が溶け、歯が抜けてしまう。

　患者さんがお口の中の異変に気付くのは、中期にまで進んでからようやく…ということが多いんです。

 

 

 

 

 

2-2：歯を失う原因の第1位

　歯周病には、日本人の成人の8割もの人がかかっているとされています。ですが、その6割の人は病気に気付いていないのです！

　そして、歯を失う原因ナンバー1（41.8％）で、ナンバー2の虫歯（32.4％）を大きく引き離しているんです！

 

 

 

 

 

　この記事の「歯肉炎の症状4つ」で確認して、体のサインを見逃さないようにしましょう！

　後編では「特に注意が必要なタイプの人」、「歯肉炎をケアする方法」をご紹介します！