1：お口のお掃除「スケーリング」

　歯医者さんでの基本の治療は、「スケーリング」というお掃除です。

歯肉炎は原因となるばい菌が毒を出すことでかかってしまいます。ばい菌のかたまりは「歯垢（しこう。プラークとも）」と言い、だ液の中の成分と固まって「歯石」となります。そうなってしまうと歯ブラシでは取り除けなくなります。

歯医者さんではスケーラーという専用の器具を使って、自分ではとり切れない歯垢や歯石をきれいに取り除いてくれるのです。

 

2：歯磨き指導

　「歯磨き指導も治療なの？」とお思いですか？

　月に一回や、半年に一回、歯医者さんでスケーリングを受けるだけでは足りません。ばい菌は生き物なので、毎日お口の中でどんどん増えてしまいます。それを患者さんが、毎日上手に歯磨きして取り除き続けるのがとても大切です。

　歯医者さんでは、歯垢を赤などの色に染めだして、磨き残しやすい所をチェックしたり、歯ブラシの当て方や動かし方を実際に口の中で指導します。

　歯間ブラシのちょうどいい太さや使い方、デンタルフロスの使い方の指導も受けることができます。

　今使っている歯磨き用の道具を持っていくのも良いかもしれないですね。

歯医者さんや歯科衛生士さんに、気になることを何でも相談してください。

 

3：お口の状態を検査

3-1：歯周ポケット検査

　歯周病が進むと、歯と歯ぐきの境目にすき間ができ、その中に歯石がたまってしまいます。その隙間を「歯周ポケット」と呼んでいます。正常な歯ぐきでも1～2mm程度の深さがありますが、歯肉炎だと3mm以内。歯周病が進んで6mm以上になると歯を抜くリスクが高まってしまいます！

　細い針状の検査器具を歯周ポケットに差し込み、深さを測って記録することで、歯ぐきの変化に気づくことができます。

 

3-2：レントゲン検査

　歯周病は、ただ歯ぐきが腫れたり、歯がぐらぐらする病気ではありません。ばい菌の出す毒素が、歯が埋まっている顎の骨を溶かしてしまうのです。骨が溶けることで、支えを失った歯がぐらぐらし、最悪の場合抜けてしまいます。

　レントゲン検査では、歯だけでなく顎の骨も撮影します。お口全体の状態をしっかりと確認し、病気の進行に気が付けるようにしているんですよ。

 

　歯周病は、痛みなどの症状がないまま、静かに進行して顎の骨までダメージを与えてしまいます。それどころか、ばい菌の出す毒素は血流に乗り、脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマー型認知症など全身に悪影響があることが今では分かっています。

しかし歯肉炎、つまり、炎症が歯ぐきに限られているうちに対策を取れば、健康な口を守れるんですよ！

 

　毎日の丁寧な歯磨きと、歯医者さんでの治療の二人三脚で、明るく元気な生活を送りましょう！