1：なぜ歯槽膿漏になるのか

歯周病には、原因となるばい菌に感染することでかかってしまいます。ばい菌は歯垢（しこう、プラークとも言います）として歯にこびりつき、増え、毒素を出し続けます。歯垢はやがて石のように固い歯石になり、歯と歯ぐきのすき間（歯周ポケット）の奥深くに潜り込んでしまいます。そうなると、歯磨きで取り除くのはもはや不可能です。

 

このまま放置してしまうと、歯周病の末期状態である歯槽膿漏になるのは遠くはありません。

また、歯周病とならぶ国民病である糖尿病にかかっていると、全身が栄養不足になって抵抗力が落ち、歯周病菌に冒されやすくなってしまうのです！

 

2：歯槽膿漏を予防するには？

一番いいのは、歯槽膿漏にまで進んでしまう前に対策をすることです。原因であるばい菌（歯垢や歯石）をしっかりと取り除くことで、病気を予防できます。歯周病の初期～中期にさしかかった頃までなら、丁寧な歯磨きを始めセルフケアで改善が期待できます！

 

痛みが無くても歯医者さんに定期的な受診をし、歯周病の治療を受けるのも大切です。歯垢や歯石をきれいに取り除く治療を行い、歯ぐきの状態や顎の骨の様子を検査して、病気の進行を発見できるように観察します。

 

3：歯槽膿漏の治療方法

ドラッグストアなどで歯槽膿漏用の薬などが売られています。しかし、気になる症状を一時的に何とかするための応急処置にすぎません。歯医者さんでの根本的な治療が必要です。

 

3-1：基本治療のスケーリング、SRP

歯周病の初期～中期にも行われる基本的な治療がスケーリングです。専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除きます。もう一歩進み、SRPでは歯周ポケットの中の歯の根っこまできれいにし、滑らかにします。

 

3-2：外科治療、フラップ手術

歯周ポケットの深さが6～8mm以上の場合、歯ぐきを切開して歯の根っこの奥深くまで露出をさせて、直接見て取り除くことがあります。これをフラップ手術といいます。

 

3-3：最新の治療方法3点

最新の治療法をかんたんにご紹介します。これらは取り入れている医院が限られ、また自費診療のため費用が高額になりますが、とても優れた治療法なんですよ！

◆エムドゲイン療法

薬を注入して、失われた顎の骨を再生させる再生療法。

◆3DS療法

殺菌剤を流し込んだ専用のマウスピースを装着し、ばい菌を殺菌する。

◆マウスウォッシュ

マウスウォッシュで口をゆすぎ、ばい菌を殺菌する。

 

※当院では、最新機器を用いた上記以外の方法もございます

 

3-4：抜歯も治療の選択肢に入る

あまりにも悪化してしまうと、歯を抜くことも治療の選択肢の一つとなることもあります。それは、周りの歯に悪い影響を与えると判断されたときの場合です。

 

歯周病が歯槽膿漏にまで進んでしまうと、症状がつらいだけではなく、治療にかかる負担も大きくなっていくのが分かりますね。歯を失うリスクも高まってしまいます。

身近な歯周病ですが、実は恐ろしい病気だと気を引き締めて、お口の健康と楽しい暮らしを守っていきましょう！

 

治療を始めるのに遅すぎることはありませんよ！