虫歯や歯周病を招く歯垢のアブナイ実体と効果的な除去方法（前編）

1：歯垢はばい菌のかたまり！

歯垢は食べかすだと思ってはいませんか？実は、歯垢はお口の中の細菌が増えてできたかたまりです。成人のお口の中には「300～700種類」もの細菌がいて、糖分を栄養にして増え続けるのです！菌が歯垢を形作るのに必要なのはほんの８時間ほどと言われています。

 

歯垢1ｍｇの中にはどれくらいの数の菌がいるでしょうか。答えはなんと「1億～10億個」！あまりの数の多さに、お口の中がムズムズしだした方もいるのではないでしょうか？！

 

2：歯垢は白～黄色がかった白

歯垢は歯と似た白い色をしていて目立たないのですが、時間が経つにつれて黄色がかってきます。しばらく歯を磨いていないときに、歯の表面をなめてみると、歯垢がついているところはぬるぬるとしているのがわかります。強くこびりついているので、歯ブラシなどでこすらないと落とせないほどです。

「歯垢染色剤」「プラークテスター」といった染色剤で、歯垢をピンクや紫など、目立つ色に染めて分かりやすくすることもできます。

 

3：歯垢が引き起こす「虫歯」「歯周病」「口臭」

3-1：虫歯

歯垢の中には、虫歯を作り出すばい菌「ミュータンス菌」がいます。

虫歯になる原因の一つが、砂糖などの「糖質」です。ミュータンス菌は糖質から酸を作り出し、歯を溶かす…つまり、虫歯となってしまうのです。

 

3-2：歯周病

歯垢の中には歯周病を引き起こす「歯周病菌」も潜んでいます。菌が作り出す毒素が歯ぐきや顎の骨に悪影響を与え、歯ぐきが腫れたり、顎の骨が溶け、歯がぐらぐらし、最終的には歯が抜けてしまうのです。

 

3-3：口臭

細菌はガスを発生させ、そのガスが口臭の原因となっている場合があります。ガスとは言いますが、毒性の強い物質が含まれていることもあり、少量ではあっても長期間ガスをあびることで、全身に悪影響がでてきます。

虫歯・歯周病にかかることでも、口臭が発生してしまいます。

口臭は、エチケットの問題だけではなく、大きな健康上の問題でもあるんですよ。

 

3-4：命に関わる病気

歯垢が命に関わる病気に関係していることが分かってきました。

細菌や細菌が発生させる毒素・ガスなどは、だ液や血液に入り込んで全身をめぐり、「心筋梗塞」や「脳梗塞」を引き起こす原因の一つとなると言われているのです。また、肺や気管支に入り込むと「誤嚥性肺炎」になる可能性があります。肺炎は日本人の成人の死因第三位を占めていて、高齢になるにしたがって死亡率が高くなっているんです！

 

4：歯垢は歯石に変化する

歯垢は48時間経つと、歯石に変化します。石のように固いばい菌のかたまりが歯にこびりつき、歯ブラシではもはや取り除けなくなってしまいます。また、歯石の表面はざらざらしているので、新しい歯垢がくっつきやすくなってしまうのです。

 

気が付いたらお口の中についている歯垢ですが、何億個ものばい菌のかたまりとは驚きですね！歯石になってしまう前に、歯ブラシで取り除くことでケアできますよ。

 

引き続き後編で「歯垢をきれいに取り除く方法」をご紹介します。